子どもの頃、夢中になって遊んだテレビゲーム。
「いつまでゲームしているの!」と叱られた経験がある人もいるかもしれません。
そんなゲームの世界から、ついに文化勲章の受章者が誕生しました。
2026年度の文化勲章に選ばれたのは、「スーパーマリオ」や「ゼルダの伝説」を手がけた任天堂の宮本茂さん。ゲーム分野では初めての受章です。
でも、ここで一つ疑問が浮かびます。
なぜ、遊びのために作られたゲームが、文学や芸術、科学と並ぶ文化として評価されたのでしょうか?
マリオを生んだ宮本茂さんとは?
宮本茂さんは、任天堂のゲームプロデューサーです。
「ドンキーコング」「スーパーマリオブラザーズ」「ゼルダの伝説」「ピクミン」など、長年にわたり数々のゲーム制作に携わってきました。
2026年10月23日、政府は宮本さんを含む8人を文化勲章受章者に選ぶと発表しました。
宮本さんの専門分野として、文部科学省の公式名簿には「メディア芸術(ゲーム)」と記されています。
注目したいのは、ゲームが単なる娯楽商品ではなく、芸術や文化の一分野として扱われていることです。
ゲームは「見る芸術」と何が違う?
映画はスクリーンを見ます。音楽は耳で聴きます。絵画は目で鑑賞します。
ところが、ゲームは少し違います。
プレイヤー自身が動かなければ、物語が進まないのです。
例えば、スーパーマリオ。
目の前に穴があれば、ジャンプする。敵がいれば、踏んで倒すか、避けて進む。
最初は失敗しても、何度も挑戦するうちに操作が上達していきます。
ここには、ゲームならではの面白さがあります。
作り手が用意した世界を、遊ぶ人自身の行動によって体験する。
これは、ゲームが持つ表現の特徴の一つだと考えられます。
文化勲章が示す、ゲームの立ち位置の変化
文化勲章は、文化の発展に特に優れた功績を残した人に贈られる勲章です。
2026年度には宮本さんのほか、建築家の伊東豊雄さん、照明デザイナーの石井幹子さん、ノーベル化学賞受賞が決まった硤合憲三さんらが選ばれました。
かつて家庭のテレビの前で楽しんでいたゲームが、建築や文学、科学と同じ文化勲章の対象になった。
もちろん、今回の受章だけで社会全体のゲーム観が一変したとは言えません。
それでも、ゲーム制作の長年の功績が国の文化的な栄典によって評価されたことには、大きな意味があります。
宮本さんは2019年にも、ゲーム分野で初めて文化功労者に選ばれています。今回の受章は、長年の評価の積み重ねとも言えるでしょう。
11月3日の親授式には欠席
2026年11月3日、皇居で文化勲章の親授式が行われました。
今年の受章者は8人ですが、宮本さんは式を欠席し、7人が出席しました。欠席理由については、確認した報道では明らかになっていません。
式では天皇陛下から出席者に勲章が手渡され、長年の文化への貢献がたたえられました。
まとめ:遊びが文化になるということ
スーパーマリオで初めてジャンプに成功した瞬間。
ゼルダの伝説で謎が解けた瞬間。
ゲームを遊んだ人の中には、何十年たっても覚えている場面があるのではないでしょうか。
宮本茂さんの文化勲章受章は、そうした体験を生み出してきたゲーム制作の価値を、改めて考えるきっかけになります。
そして、少し面白いことにも気づきます。
昔、親に叱られながら遊んでいたゲームが、今では日本を代表する文化の一つとして評価されている。
時代が変われば、文化の見え方も変わるのですね。

